無意識の思い込みこそ注意が必要 無意識の思い込みこそ注意が必要

人と社会
無意識の思い込みこそ注意が必要

しゅり
40代
心理カウンセラー
1児のママ

こころ循環サポーター心理カウンセラー高木です。

 

先日小学校の参観日で、道徳の授業を拝見しました。

一時期コロナ禍で全く参観できなかったので本当に嬉しい機会です。

 

テーマは『LGBTQと心理的安全性』

福岡を中心に、24歳以下のLGBTの子ども・若者サポートに取り組む任意団体FRENS

(ふれんず Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)の代表アンリさんの

子ども時代のエピソードが題材でした。

 

まず最初に思ったのは『攻めてんなぁ~』でした。

でもその自分の胸に浮かんだ言葉に思い込みが潜んでいる…

そう気が付き驚き恥じ入りました。

 

どういうことかというと、まだまだLGBTQはマイノリティだから

公教育の場で話題にするのは尖がってる、そう感じたのだと気が付いたのです。

すいません。昭和です…

 

その場にいるお父さんお母さんと意見交換したいところでしたが

交流できず残念です。みなさんはどう感じたのかなぁ。

 

5年生の教室でしたので、性教育もスタートしている時期だからこそ

絶好のタイミングなんだなと理解できます。

 

10代の始まり、周囲からのラベリングではなく自分で自分を理解していく時期。

その際には相手を理解することも重要です。自分と違う存在と交わることでより深く

自分を理解することができます。

 

教材の中でトランスジェンダーのアンリさんが、学校のお友達に

「どうしてスカートはかないの?」と聞かれて

戸惑うエピソードがありました。

 

「その時のアンリさんの気持ちってどんなかな?考えてみよう」

先生が問いを投げかけ、子ども達は話し合います。

頃合いを見てみんなで発表していきました。

 

・嫌だった

・ほっといてと思った

・なんでそんなこと言われるのか分かんないと思った

・自分を否定されたように感じた

 

等色々な意見が上がってきていました。

『気持ち』を聞かれて『感情』ではなく『思考』を答えるのは

こんな年齢から始まっているんだな…

『感情』まででてくると『共感』になるのにな~残念!

とコミュニケーションの研修でいつもそこをお伝えしているので気になります。

とはいえ、当事者でない(と思われる)子どもたちがこうやって

相手の立場になって想像してみる経験は

とても尊いなと胸が温かくなります。

 

小学5年生ってこんなに考えて発言できるものなんだな

と感心しながら、しかしこれも「私の思い込みだな」と

またまた子どもたちに申し訳なく恥ずかしく思います。

子どもにはそんなことできない、と思ってるなんて馬鹿にしてます。

反省が止みません。

 

その後先生や周りのお友達が男性のカップルについて

揶揄するのを見たアンリさんが

「誰にも自分の事を話せない!自分は独りぼっちで死んでいくんだ!」と

心閉ざしたけれども、高校生になった時にある出会いをきっかけに

自己開示できたエピソードが続きます。

 

「アンリさんは何故お友達に

本当の事を打ち明けようと思ったのかな?」

という先生の問い掛けへはこんな答えが出ていました。

 

・この人なら話せると思った

・優しい人だったから

・信頼できたから

・悪口を言わない人だったから

・同じ境遇の人だったから

・大人になる前に分かり合える仲間が欲しかったから

 

その時の先生の総括は

「本当の事が言えないで独りぼっちでいる人が

心を開いて話せるようになるには

①周りの理解だったり受け入れる姿勢と

②他者と分かり合いたいと強く願う

自分の気持ちや勇気が必要だね。」でした。

 

短い授業時間の中で、どれだけのことを子どもたちが理解したかは分かりませんが

参観している私まで『愛』を感じて胸が熱くなる時間でした。

ただ何かが引っ掛かる…なんでだろう????

 

今回はダイバーシティやインクルーシブがテーマだったのですが、

とても素敵だなと感じたのは

 

孤独を感じる誰かにどう手を差し伸べるのか?

 

というとても本質的なテーマとして子どもたちが受け止めているように感じた事です。

特別視している間は分離の状態のまま。

人それぞれが違うと受け入れられる土壌があるって安心だし

長年かけて人類が作り育てた尊い意識なんだなと崇高さを感じました。

 

でも一方「無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)」が

相手を傷つけることもあること。

自分で気が付いていないからこそ注意が必要なんだということ。

その危うさ。「ないもの」にされてしまうことの恐れ。

 

この陰陽両面について語り合えるともっとこのテーマを深く学べたのではないかな~

とそこに引っかかってる自分に気が付きました。

 

思い込みってたくさんあるなー

まだ気が付いていないこともたくさんあるんだろうなー

と感じた出来事でした。

 

24歳以下のLGBTの子ども・若者サポートに取り組む任意団体FRENS

(ふれんず Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)のサイトはこちら。

https://www.frenslgbtq.com/aboutfrens

 

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