円安で考える『リスク』の裏と表 円安で考える『リスク』の裏と表

お金の話
円安で考える『リスク』の裏と表

chiyo
40代
キャリコン
会社役員
既婚

ファイナンシャルプランナー&キャリアコンサルタントのChiyoです。

 

記事を書いているのは2022年10月ですが、「32年ぶりの円安水準を連日更新」と

止まらない円安をニュースが報じています。

 

このニュースをどんな気持ちで見ているでしょうか?

 

円でしか資産を保持していない人、

海外からの買い物をしない人、

海外旅行をしない人からすると

なんとも思わないニュースかも知れません。

 

1年前は1ドル113.84円でした。

1年間で35円も円安になったことになります。

 

この見方をすると、どんな気持ちになりますか?

「うわー、ドル持っとけば良かったな~」

とか

「外貨の資産増えたなー」

とか、経験から受ける気持ちは違うと思います。

 

私の叔父がこの半年、円安を楽しんだ話をします。

約15年前10,000ドルの5年満期のドル建て一時払養老保険に加入した叔父。

1ドル124円で入れたので約124万円の支払いでした。

 

保険の利率が4.0%ほどあったため、5年後の満期時に10,000ドルは12,000ドルほどに増えていました。

しかし、満期時の為替は1ドル110円くらいだったので円に換算すると

12,000ドル×110円=132万円

増えたは増えたけど、思ったほどじゃない。

 

そこで、叔父は満期金を円に換金せずドルで受け取りました。

ドル建ての銀行口座を作り、そこにドルで入れる。あとは、円安を待つ。

そして、約10年待った今、円安がやってきました。

 

130円超えたあたりから毎日為替情報を見ては楽しんでいたようです。

6月ぐらいに叔父に会った時

「135円まで待って変えようと思う。」

と嬉しそうに話していました。

 

そして、早々に135円を超えると、欲が出てきて

「140円まで待つ」

となります。人間らしい潔い発想!

そして、140円も超えます。

 

毎日為替の話を聞いている叔母はウンザリ気味で

「もう140円で変えたら?」と言ってみても「ここまで来たら145円まで待つ」

となったそうです。想像通りの展開。

 

そんな中、お風呂のリフォームの話が出てきて

「もう十分。引き出してリフォームに使おう」と外的要因で決断したそうです。

結局1ドル142円で換金したらしく12,000ドルは170万円ほどになりました。

手堅い運用を選んできた叔父からするとこの経験は嬉しかったようです。

 

124万円を円のまま銀行に預けていたら15年で一体いくら増えていたでしょうか?

 

ドルを持っていた人からすると円に換える時「増えた」感覚ですが、

円を持っている人がドルに換える時「減った」感覚になります。

 

どの立場で見ているか。どの方面から捉えているか。

それは表なのか。もしくは裏なのか。

見方によって感情は変わります。主観によって変わるのです。

 

日本の根強い思考として「ゼロリスク」があります。

「資産が減るのが嫌だ」として円でしか資産をもたないことも、

リスクを取っていないようで、比較するとリスクと思える点があります。

 

事象には表と裏があることと、

自分にとっての最適解に対し許容できるリスク判断を経験から鍛えることは、

リスクを軽減する方法だと私は考えています。

皆さんはリスクに対し、どんな感情を持ちますか?

リスクに対しどんな対策をしていますか?

 

▼参考|読売新聞オンライン「ゼロリスク幻想との決別」2021.07.30の記事

https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckscience/20210803-OYT8T50031/

 

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