「思いこみ」に呑み込まれていませんか? 「思いこみ」に呑み込まれていませんか?

教育の話
「思いこみ」に呑み込まれていませんか?

しゅり
40代
心理カウンセラー
1児のママ

思いこみに呑み込まれている?という話

 

こころ循環サポーター、心理カウンセラーのたかきしゅりです。

先日ペッパー君の開発に携わった数学者の方のお話を聞いた時のこと。

とても興味深いエピソードがありました。

 

りんごが1個ありました。2つに分けました。

これを数式にすると

 

1÷2=0.5 (または1/2)

 

当たり前じゃん。と思うのが普通ですよね。

でも普通というのは『バイアス』です。

先生曰く

 

りんごが1個ありました。2つに分けました。

2つの塊に分かれました。

なのに、

 

1÷2=0.5 (または1/2)

だと、もう一つの塊はどこに消えたんだ!

と思ったそうです。(子どものころのお話)

 

本当だ!2つになってる。

 

しかも、正確に丁度半分に分けられることの方がすごくないか???

0.3:0.7とか0.4:0.6とか微妙にずれるからケーキを分ける時兄弟げんかになるんだ!

というのです。確かに。

 

 

このように自分では当たり前だとして考えないことがあります。

 

本当にフラットに、事実って何か?

考えるとはこんなことなんだろうな。と思いました。

 

 

なぜこの話なのかというと今日は『バイアス』ということが最近気になるからです。

【バイアス(bias)】

「偏(かたよ)りを生じさせるもの」。「バイヤス」ともいう。

バイアス(bias)は英語で、「偏り」に関係する様々な意味を持つ言葉。日本語でも、おおむね英語と同様の意味で用いられる。

「評価者が持つ先入観や偏見が影響して偏った評価がなされている」ことを意味します。

(三省堂辞書ウェブ編集部による言葉の壺 より抜粋)

 

バイアスには様々な種類がありますが

最近話題にされることの多いものとして

いくつか例を挙げてみましょう。

 

『ジェンダーバイアス』

身体的な性別が別れているという事実だけではなく

「男性はこうあるべき」「女性はこうするべき」という

男女の社会的な性差をジェンダーバイアスといいます。

このような「男らしさ・女らしさ」を強制したり、

固定観念として当然のものとすることは古い価値観である

という認識が当然のものとなってきました。

オリンピック委員会の森元会長の女性蔑視発言に対する

社会の反応は記憶に新しいですね。

 

『正常性バイアス』

自分は大丈夫だ、という根拠のない思いこみが災害時の判断を鈍らせるもの。

実はこのバイアスは子どもよりも大人に強く出ます。

東日本大震災の時、小学生が先生の制止を振り切って高台に避難したことで助かり、

先生や先生の言うことを聞いて学校にとどまった子ども達が命を落とすという不幸な出来事もありました。

身近な例では信号無視をする歩行者は子どもではなく大人が多いということ。

 

『アンコンシャスバイアス』

社会通念として当たり前だとして、不利益なことを我慢したり、他人に強要することを言います。

子どもの世話は母親がすべき。子どもは学校に通うものだ。世帯の稼ぎ手は父親が担うのが当たり前。

結婚して当然。子どもがいないのはかわいそう。など。

 

フリマアプリの『メルカリ』では社員研修にこの『アンコンシャスバイアス』に気づくためのワークを行っていて、

情報開示もしています。とても大切なこととして導入されているんですね。

 

【プレスリリース】

メルカリ、「無意識(アンコンシャス)バイアス ワークショップ」の社内研修資料を無償公開

https://about.mercari.com/press/news/articles/20210225_unconsciousbiasworkshop/?

 

様々なお悩みを伺う時、悩みの渦中にいる方は

視界がとても狭く、バイアスによって選択肢が極端に少なくなっている

様に感じます。

 

・旦那が子育てや家事に協力的ではない

・男性が育児休暇を1か月も取るのは非常識

・娘がいつまでも結婚しないので心配して話しかけると喧嘩になる

・子どもが学校に行かない

 

これらの問題を起こしていると考える相手に、

自分の望む行動をさせようと

コントロールが働くと摩擦が起きます。

 

なぜなら相手は相手の価値基準で行動していて、

どちらが正しく、どちらが間違っているかという

利害のぶつかり合いになるからです。

 

自分が当たり前としていること、世間が当たり前としていることは

本当はただの思い込みかもしれません。

『本当にそうかな?』という自分への問いを大切にすることで

相手に寄り添うことができ、現状を変える糸口になります。

 

プライベートの問題だけでなく、この考えが

働く場にも広がっています。

労働人口が減っていく時代に、多様性を受け入れ

工夫しながら、助け合いながら働くことで

幸せに生きる人が増えていくのではないかなと感じます。

そのために『バイアスがあるという意識付け』はとても大切です。

 

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#アンコンシャスバイアス

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#多様性

#本当にそうかな?

 

No:58

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