そのままの自分を受け入れられる安心、成果ばかりを評価することの弊害 そのままの自分を受け入れられる安心、成果ばかりを評価することの弊害

教育の話
そのままの自分を受け入れられる安心、成果ばかりを評価することの弊害

しゅり
40代
心理カウンセラー
1児のママ

心理カウンセラーのしゅりです。

 

エネルギーが循環するような人と人の関わりを目指して活動しています。

 

最近お悩み相談室でもよく聞かれるフレーズに
『私は自己肯定感が低い』という言葉があります。
そもそも自己肯定感とは何か?というと…

 

【自己肯定感(じここうていかん)】
自分の可能性を信じ、自分は できるんだという自信をもち、肯定的に自己を認識すること
(こころの問題辞典 平凡社)
ありのままの自分を受け止め、自己の否定的な側面もふくめて、

 

自分が自分であって も大丈夫という感覚(特別支援教育大事典 旬報社)

 

自尊心(英語: self-esteem)、自己存在感、自己効力感(英語: self-efficacy)、
自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる言葉

 

とあります。ついでに類似概念を二つ上げておきます。
【自己効力感(じここうりょくかん)】
セルフ・エフィカシー(self-efficacy)
自分が行為の主体であると確信していること、

自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念、

自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信(広辞苑)
【自尊感情(self-esteem)】
自分自身を基本的に価値あるものとする感覚。(広辞苑)

 

なるほど。自分の価値や存在意義を肯定的にとらえること、
自分には遂行できる能力があると認めること。なんですね。

 

ということは自己肯定感が低いんです。というセリフは
『私は自分を肯定的にとらえる力が低い』ということなんですね。

 

このセリフには続きがあって
だから人間関係がうまくいきません。

 

だからみじめな気持ちになりやすく死にたくなります。
など悲しなくなるような言葉が綴られます。

 

なぜそんなことになるのでしょうか。

 

このセリフを言うのは特殊な家庭環境だったという方ばかりではないのです。

死にたくならないまでも、誰かの言動に一喜一憂し
『自分の行動は間違っていたのではないか?』
『こんなことを言うと反発されるのではないか?』
と自分を卑下したり言いたいことが言えないでいることってありませんか?
これが常に発動すると心にストレスを抱えることになります。

 

『自分の価値、存在意義を肯定的にとらえる』
とはすなわち
『私っていていいんだ。私はそのままで価値があるんだ。』
ということ。

 

この気持ちを育てるにはそのままの自分を受け入れられる体験の積み重ねが大切です。
私達は学校教育の中で成果を求められてきました。

 

家庭でもうっかりその癖が身に染みていて、
子どもとの関わりの中でやはり成果ばかりをほめる行動をとってしまいがちです。

 

『いい点数を取ってすごいね!』(点数が低いとだめな子)
『ここが間違ってるね。惜しい!』(他のできているところはほめてくれないの?)
『かけっこ1番だったの!頑張ったね』(次も1番じゃなければ認められない!)
小さなプレッシャーが積み重なっていき
『成果を出さない私は認められない』
という囚われが生まれます。

 

実はこれは職場での声掛けにも通じるものがあります。
成果よりも経緯や文脈、気持ちに寄り添うことで、
何かをしないと認められない、ではなく
一人の人間としての価値を感じることができるようになります。

 

『100点取ったんだね。誇らしいし嬉しいね!』(主語を本人にする。)
『ここ間違えたの悔しいね。』(どう解決するかは本人に考えさせる)

 

本人の感情に寄り添うことは評価ではありませんし、
なにより自分を理解し受け入れられているという実感を得られます。

 

日々の声掛けを少し気を付けることで
お子さん、同僚、部下との信頼や絆が深まり
同時に相手の自己肯定感が高まるのです。

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